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疑惑露呈で口裏合わせ 久高氏、証言覆し自認 関与した複数人が受領の事実を認める


疑惑露呈で口裏合わせ 久高氏、証言覆し自認 関与した複数人が受領の事実を認める 久高友弘氏の議長時代に、現金の受け渡しが行われたとみられる那覇市議会議長室
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇市有地の所有権を巡り、那覇市議で前議長の久高友弘氏(75)らが議長室で不動産コンサルタント会社代表の男性らから現金の授受があった件で、久高氏は琉球新報の取材に、受け取った5千万円のうちの一部に私的な流用があり、収賄の事実があったと認めた。議会対策のための受領との認識も示した。疑惑発覚から半年、県警の捜査が本格化する中、渦中の久高氏がこれまでの証言を覆し、自認に転じた。現金授受に関与した複数人が久高氏が現金を受領した事実を認めているという。 

 久高氏は市有地となっている土地の所有権回復を求める義母の後見人の女性(70)から、議長在職中も含め長期にわたり所有権回復の全権を委任され、この市有地に関する百条委員会設置を提案するなど議会活動に取り組んできた。現金授受の疑惑が報じられた後、議長を辞職、女性との委任関係も解消された。

 久高氏らの証言によると、疑惑が露呈したことで土地の所有権回復に向けた活動ができなくなると思慮し、久高氏と後見人の女性らは現金は全額女性が受け取ったとする口裏合わせをしたという。

 これまで現金は土地の所有権回復に向けた調査費や資料の買い戻しに使用したとしていたが、実際は5千万円のうち、500万円は立会人らへの手数料、1千万円は女性が受領、残る3500万円は久高氏が保管し、土地を巡る調査費のほか、久高氏が関わる訴訟費用など私的な流用もあったという。久高氏は「(不動産コンサルの男性側から)使ってくれと金を渡された。僕は取らないつもりだったけど、金も必要だということになった。いろいろと使った。たくさん裁判とか掛けられたから弁護士代が主になる」と明らかにした。

 後見人の女性は12日までに琉球新報の取材に、久高氏の証言内容を認めた。久高氏の現金の使途は不明との認識を示し、1千万円は「土地の所有権が回復した場合の売買契約の手付金として受け取った」と強調した。

 久高氏は、政務活動費約190万円を詐取したとして詐欺の疑いが持たれており、市に返還を申し出ている。

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