有料

未来のため基地止める 激戦地土砂、使用に反対 糸満で県民集会


未来のため基地止める 激戦地土砂、使用に反対 糸満で県民集会 沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋め立てに使わせない思いを込めてガンバロー三唱をする参加者=21日、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

【糸満】沖縄戦の激戦地だった南部地域の土砂が辺野古新基地建設の埋め立てに使われる可能性があるとして、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議による「遺骨の眠る土砂を埋め立てに使わせない10・21県民集会」が21日、糸満市の県平和祈念公園で開かれた。北部や中部からも多数の市民らが集まった。国が新基地建設の軟弱地盤改良に使う土砂の採取候補地に南部地域を挙げていることに断固反対するとともに、国の代執行訴訟に応訴する玉城デニー知事を支えていくことを確認した。

 集会には、県出身国会議員、県政与党県議らが出席した。「戦没者の遺骨が残されている可能性がある場所から採取した土砂の使用は人道上あってはならない。県は引き続き遺骨収集に取り組んでいく」などとする玉城知事のあいさつが読まれた。

 稲嶺進共同代表は、県内で自衛隊の配備拡張が急激に進むことに触れ「新たな戦前という状況が押し寄せている。二度と戦争をしない決意で行動を続けることが辺野古を止め、ここから土砂を運び出すのを止めることにつながる」と強調した。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは「国は南部の土砂を使うかは業者が決めると言う。しかし業者が判断はできない。国が(南部を候補地に入れた)軟弱地盤の設計変更申請を撤回しないといけない」と指摘し「辺野古を、軟弱地盤を埋め立てられるのか。税金の無駄使いだ」と続けた。

 最後に地元・糸満市の平田愛海さん(19)が集会宣言を読み上げた。「南部では今でも戦没者の遺骨収集が行われている。日本政府が多くの遺骨が眠る南部の土砂を辺野古新基地建設に使おうとしていることに絶対に反対」などとした。さらに「玉城知事と共に沖縄の未来のために辺野古基地建設を止めていきたい」と宣言し、拍手で承認された。

 八重瀬町から参加した知念佐智子さん(77)は「遺骨収集は国が責任を持って行うべきことだ。裁判所も沖縄の民意を無視しており、県民は苦しんでいる。意思表示しようと思い参加した」と話した。

 集会には県外からの参加者もいた。岡山県の岡山医療生協労働組合の7人は県内開催の事業の前乗りで参加。大平佳代さん(47)は「デニーさん頑張れという思いで参加した。連帯を示したかった」と話した。

 (岩崎みどり)