【伊江】沖縄戦の伊江島の戦闘で、日本兵106人が戦死したとされる壕(ごう)の特定に向けた試掘調査が31日、始まった。同日、厚生労働省から職員2人が現地入りし、県や村職員らと共に、壕(ごう)があるとされる、村東江上の家畜市場から東にある段丘地帯の一角を掘削し、確認した。調査は2日までの予定。
厚労省によると、今回の試掘調査では、段丘地帯にある約15メートル四方を掘削する予定で、状況次第では範囲が広がる可能性もある。
同日、調査に参加した厚労省社会・援護局事業課事業推進室の手塚直樹室長補佐は「戦後78年もたつ。遺族や島民の期待もあると思う。期待に応えられるよう、しっかりと調査したい」と話した。
1980年代の国の遺骨調査に同行した元村厚生課長の内間亀吉さん(85)も、試掘調査現場を訪れ「当時の調査でもここに壕(ごう)があるかもしれないとなっていたが、手をつけられなかった。一日でも早く見つかってほしい」と、早期発見を願った。
(金城大樹)