那覇市のホテルコレクティブ(多和田真也総支配人)はこのほど、ホテルの客室で取り換えたトイレットペーパーを廃棄せずに福祉施設などに寄贈する取り組みを始めた。ホテル業界では、トイレットペーパーが半分まで減ると新品と取り換え、残りを廃棄することがあるという。ごみの削減や社会貢献について同ホテル内で考えた結果、再利用して寄贈することを決めた。10月25日には、那覇市母子生活支援センターさくらに500個を贈呈した。
多和田総支配人は取り組みについて「ペーパーを使い切ることもできるが、この方は新品、次の方はちょっとしかない、となると不公平感もある。ホテルとしてはお客様には平等に接したいという気持ちがある」と話した。
厚みが半分ほどになり取り換えたトイレットペーパーは、1個分の大きさまで巻き直して、ビニールで個包装するなど衛生面に配慮している。
巻き直し作業は今年2月ごろから始めた。清掃スタッフが客室清掃に入る際の一連の清掃業務に巻き直す作業を追加した。研修中の社員も作業したという。「ものの大切さも覚えてくれるのではないか」と期待した。
10月25日の贈呈で、那覇市母子生活支援センターさくらの當眞郁子施設長は「客室のペーパーは新しい方がいいという気持ちは分かる。物価が上昇する中で寄贈はとてもありがたい。入居者らと分け合いたい」と感謝した。
多和田総支配人は「今後は病院などにも定期的な寄贈を考えている。ホテルが少しでも地域の役に立てたらうれしい」と意欲を見せた。 (慶田城七瀬)
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