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伊江島の「日本軍壕」特定に至らず 範囲広げ掘削も入口見つからず 厚労省調査


伊江島の「日本軍壕」特定に至らず 範囲広げ掘削も入口見つからず 厚労省調査 壕の入り口がある可能性が高いと指摘するポイントを確認する関係者ら=2日、伊江村東江上
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 【伊江】厚生労働省が伊江村で実施している沖縄戦当時の日本軍壕の入り口特定に向けた試掘調査は最終日の2日、入り口の特定には至らなかった。調査は10月31日から同村東江上の家畜市場から東にある段丘地帯で実施していた。

 村が入手した米軍日報によると、試掘調査が行われたエリアでは「日本人106人が洞窟で戦死した」と記されている。

 この日は、元村厚生課長の内間亀吉さん(85)が当時の玉城金蔵村長から聞いた証言を基に、壕の入り口がある可能性が高いと指摘する場所を、1日の調査よりも範囲を広げて掘削したが見つからなかった。

 厚労省社会・援護局事業課事業推進室の手塚直樹室長補佐が内間常喜副村長に調査結果を報告した。内間副村長は「(沖縄戦から)78年が経過し遺骨収集の難しさを実感している。今後も証言の聞き取りなど情報収集を続け、国や県と連携して対応したい」と話した。

 内間さんは「これだけやってもらえれば見つかるかと思ったが残念だ。今後の調査に期待する」と話した。

 (金城大樹)