「デニー知事を支える」「不承認の維持を」知事の登壇に拍手と指笛、「オール沖縄」には複雑な声も 県民集会


「デニー知事を支える」「不承認の維持を」知事の登壇に拍手と指笛、「オール沖縄」には複雑な声も 県民集会 登壇者の意見に拍手を送る集会の参加者=5日、北谷町のAgreドーム北谷(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 福田 修平

 オール沖縄会議が5日に北谷町内で開いた、「国による代執行を許さない!デニー知事と共に地方自治を守る県民大集会」の会場となった北谷公園屋内運動場(Agreドーム北谷)は、玉城知事の支持者や辺野古への基地移設反対を訴える参加者らで埋め尽くされた。「不承認の姿勢を維持して」と万雷の拍手と指笛で迎えられた玉城知事。一方で「今のオール沖縄に団結力を感じない」などと、複雑な思いを抱えて進行を見守る参加者も見受けられた。


 会場には40、50代以上と見られる年齢層の参加者が多かったが、中には親と来ている子どもや若い世代の参加者もおり、登壇者の言葉に耳を傾けていた。沖縄市から参加した女性(64)は「デニー知事を支えるために来た。このまま不承認の姿勢を維持してほしい」と述べた。また「自分の思いを伝えるために集会に子や孫も呼んだ」という。

 登壇者が「戦争を起こさせない」「平和のためにできることを」と訴える度、会場からは大きな拍手が上がった。
 玉城知事が登壇すると会場の参加者らは手に持った「知事の不承認 支持」と書かれたプラカードを掲げ、知事に懸命に手を振る姿も見られた。
 「辺野古の基地移設反対の意思を表明するために来た」。こう述べるのは2年半ほど前に山形から名護市に引っ越した男性(56)だ。「山形では沖縄の問題に関心のある人は少なく、沖縄でも基地問題について話すきっかけがなかった。市民集会には以前から参加したいと思っていた」と力強く語った。


 一方、会場の後方で話を聞いていた、中城村から参加した女性(34)は複雑な心境を明かした。「知事はやれるだけのことをしてくれていると思う」としつつ、「今のオール沖縄に団結力を感じないことや、市民団体が配るビラの荒れた言葉も気になってしまう。みんな根元は同じ気持ちだとは思うが、複雑な心境になる」と吐露した。

 会場の外に腰掛けていた、北谷町から父に連れられて参加した男性(22)は、自分の考えを整理するようにゆっくりと取材に応えた。辺野古訴訟について「辺野古移設は反対だが、司法の判断なので裁判の結果は受け入れた方が良いのではと感じる」と述べつつ、「議論がなされず裁判が強行的であるのも事実だ」と考えを巡らせた。 

(福田修平)