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まずは「午後8時消灯」やってみよう 学校の働き方改革、島尻全体で実践へ 長時間労働の解消目指し、県内初の地区協働


まずは「午後8時消灯」やってみよう 学校の働き方改革、島尻全体で実践へ 長時間労働の解消目指し、県内初の地区協働 教室のイメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉数 陽

 島尻教育事務所は9日、管内10市町村の教育委員会の業務改善推進担当者による連絡会をオンライン上で開き、地区に特化した働き方改革の方針「島尻教育事務所教職員業務改善推進スタンダード(島尻スタンダード)」を打ち出した。地区の教育事務所、各教委、学校などが協働で独自の業務改善方針を作成し、共通実践を進めるのは県内初。共通方針による一つ目の具体的な取り組みとして、「学校の午後8時消灯」を順次実施することも決まった。

 「島尻スタンダード」は既存の業務改善基本方針をベースに、県教委の実態調査や国の方針、県外の好事例などを反映させて8月末までに素案を作った。その後1カ月間、地区の教委、学校、校長会などを対象にパブリックコメント(意見公募)を募り、方針に取り込んで完成させた。

 2023~26年度は集中取組期間。取り組み内容を三つの柱に大別し、実現するために必要な実践項目を示した。「試験の自動採点による負担軽減」「学校徴収金等の公会計化」など全20項目からなり、地区全体で着実に改善を進め、(1)月80時間を超える時間外勤務の教職員をゼロにする(22年度小中928人)(2)時間外労働が上限規制内の教職員数を80%以上まで高める(同年度小中各70%程度)―の目標達成を目指す。

 同事務所の古謝将史主幹は「各自が自分事としてできることから直ちにやることが必要」と強調し、必要な予算確保や学校での確実な実践など、理解を求めた。

 まず一つ目の共通実践として「学校の消灯を午後8時にする」点も議論した。古謝主幹は「仕事が残っていても帰宅を迫られる」ことへの懸念が上がっている状況も踏まえた上で、「まずやってみて、残業が生じたらその内容や原因を明確にし、チームで分担すべきかなど対処法を考える。正解がないからこそ連携して取り組んで、見つかった課題にまた取り組む作業が求められる」と説明した。 

(嘉数陽)