2021年1月にコザ高校2年(当時)の空手部男子生徒が自ら命を絶った問題に関連し、半嶺満県教育長は30日、校則違反などの回数に応じて段階的に重い処分を生徒に課す「イエローカード制度」について、「廃止も含めて検討する」との方針を示した。琉球新報社のインタビューに答えた。また、コザ高がこの制度を廃止したことも分かった。
制度については、第三者再調査委員会が調査報告書で「生徒が自死に至る心理的変化を発見できなかったことの遠因」などと指摘していた。半嶺教育長は「(報告書は)廃止や見直しを求める提言なので、それを含めて検討していく」と明言した。県内の公立高校などで広く導入されていたが、すでに廃止している高校もある。
同制度について、半嶺教育長は校則違反を段階的に指導するという趣旨が、形式的になっていた部分があると説明。「県教委としてイエローカード制度が絶対に必要だとは考えていない。在り方自体も学校の状況の中で、そぐわない部分が出ていると思う」と語った。
コザ高は問題の発生後、同制度の是非を校内で検討し、21年度中に廃止したという。同校は「段階的指導という趣旨ではあるが、指導ありきになっている面があり、廃止を決めた」と説明した。
県教委は、部活動などで生じた問題の相談窓口を、県教委のホームページのトップページで周知することも決めた。校則については21年に「絶えず積極的に見直す必要がある」との通知を出した。
(外間愛也、高橋夏帆)