琉球新報は24日までに、県立高校全68校(全日・定時・通信)の生徒指導に関する校則を情報公開制度で入手した。校則違反の回数を積み重ねることで、停学などの指導に発展する「イエローカード」などの制度を設けている学校があった。専門家は「ほかの都道府県では見たことがない。校則違反に罰則があるのは異常だ」と問題視した。別室登校の期間に上限を設ける校則もあった。宮古は生まれながら茶色に近い髪色の生徒に対し「地毛登録申請書」の提出を求める校則を設けていた。
頭髪は染髪、パーマは共通して禁止されている。左右が非対称の「アシンメトリー」や「エクステンション」(付け毛)も禁止した。眉ぞりを禁止する学校もあった。「奇抜な髪型禁止」などあいまいな規定もあり、各校は校則ではなく指導方針に基づいて指導しているという。
教室になじめない生徒の別室登校について、真和志は「人間関係の構築に重要な年度初めの2カ月」は認めないとの規定を設けていた。別室登校をする場合は原則3カ月以内とし、延長も認めるが「年度をまたいでの延長はしない」と定めた。普天間は原則2カ月で、延長を認めるが「通算1年以内」と上限を設けた。「年度初めは教室で観察する」としている。両校とも「生徒本人が教室復帰に努力することが前提」と条件を付けている。
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの生徒への配慮として、ズボンとスカートが自由に選べる制服選択制が広がる中、制服のある全日制57校のうち24校は制服の男女規定を残していた。10校は制服選択制の導入に伴い「スカートタイプ・ズボンタイプ」などと校則を変更していた。
道路交通法はオートバイは16歳以上、車は18歳以上で免許取得を認められているが、校則は法律を越え、免許の取得や車両の運転を制限・禁止していた。アルバイトは家庭の経済的事情により認められているが、遅刻の回数や成績によって認められなくなる場合がある。
全日制58校のうち40校がキャンプに関する制限を設け、6校は禁止、34校は届け出・許可制としていた。アルバイトは2校が禁止、39校が原則禁止した。県教育委員会によると、キャンプ禁止は過去にキャンプでの事故があったことで広がったとみられる。実際に運用はされておらず、形骸化しているという。
(稲福政俊、嘉数陽、吉原玖美子)
【関連ニュース】