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教員試験の前倒し、5月11日を標準に 文科省が全国の教委へ通知 


教員試験の前倒し、5月11日を標準に 文科省が全国の教委へ通知 
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文部科学省は26日、公立小中高校の教員採用試験を現在より1カ月ほど前倒しし、2025年度の1次試験は5月11日を標準とするよう求める通知を都道府県・政令指定都市教育委員会に出した。盛山正仁文科相は閣議後の記者会見で「民間企業や他職種の公務員の採用状況を踏まえ、早期化に対応していく必要がある」と述べた。

 通知では、25年度は5月11日を目安にできるだけ前倒しで試験を設定するよう求め、この日に実施できる教委には小学校教員用の試験問題を提供するとした。年間で複数の試験日を設けることや、大学3年も受験できる仕組み作りにも引き続き努めるよう呼びかけた。

 文科省によると、従来は多くの自治体が大学4年時の7~8月に試験を行い、9~10月に合格発表していた。一方で、企業への就職を決めた学生の約9割は6月までに内々定を得ていたとの内閣府調査がある。

 文科省は昨年5月、各教委に対し、24年度実施の試験は従来より1カ月ほど早めて6月16日を目安に実施するよう要請していたが、人材確保に向け25年度はさらなる前倒しが重要だと判断した。

 試験日程の早期化には、教員養成大学のカリキュラム変更や、5~6月のケースが多い教育実習の時期見直しなどが必要になる。学生の負担が増す恐れもあるが、文科省は通年で決まった曜日に教育実習を行うなど、柔軟な対応を検討すべきだとしている。

 22年度実施の公立小学校教員採用試験の競争率(倍率)は2・3倍となり、5年連続で過去最低だった。長時間労働の横行などで人気が低迷したとも指摘されている。