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自分に合う仕事見つけよう 不登校、引きこもりの若者を支援 NPO「ちゅらゆい」 自立へ、講座や職場体験も


自分に合う仕事見つけよう 不登校、引きこもりの若者を支援 NPO「ちゅらゆい」 自立へ、講座や職場体験も 「働く」や「将来」をテーマに自分の思いを発表しあったプログラムのメンバーや企業の担当者ら=18日午後、那覇市
この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 NPO法人沖縄青少年自立援助センター「ちゅらゆい」(那覇市)が、不登校や引きこもりの若者を対象にした就労支援プログラムの参加メンバーを募集している。対象年齢は15歳から39歳まで。休眠預金を利用した事業の一環で、参加費は無料。

 プログラムは7月から始まっており、来年の2月まで続く。社会課題の解決につながる事業やプロジェクトを支援する「うむさんラボ」(うるま市)と、高校生たちが自分たちの興味関心を深掘りする「高校生マイプロジェクト」の運営を手掛ける「rokuyou(ロクユー)」(北中城村)も一緒になって取り組む。

 「ちゅらゆい」の今木ともこさんは「企業に雇われて与えられた仕事ができるようになることを目指す従来の就労支援ではない。働くことについて探究しながら、自分たちに合った仕事や働き方を見つけて、自分の力で食べていけるようになることを目指す」と目的を語る。

 「ちゅらゆい」に通う若者たちの一部は、ことし開催された社会課題解決を目的とするソーシャルビジネスの発表会「島ラブ祭」に参加。生きづらさを抱えたメンバーが互いを補い合いながら力を合わせてコーヒーの販売に取り組む活動が最高賞を受賞した。今回のプログラムはその延長線上にある。

 18日、プログラム参加メンバーと、うむさんラボ、ロクユーの担当者らの顔合わせが開かれた。互いについて知るためのワークとして、中心から放射状に枝を伸ばすように言葉や絵を描く発想法「マインドマップ」を使って「働く」や「将来」について自分の考えていることを書き出した。

 メンバーは「働くって不安しかない」「仕事は未知の世界」「働くと一人暮らしができる」などと次々に口にし、自分や他メンバーの考え、これまでの経験、好きなことなどについて理解を深めた。

 今後も毎週水曜日にこうしたワークをしたり、さまざまな働き方をしているゲストを招いて講座を開いたりする予定だ。また9月からは随時県内企業で職場体験をし、10月と1月には県外にワークキャンプに行く。

 2月にプログラムを終えてからは、持続可能な開発目標(SDGs)を推進する企業・団体のネットワーク「OKINAWA SDGsプロジェクト」(OSP、事務局・琉球新報社、うむさんラボ)で成果発表もしたい考えだ。

 今木さんは「不登校や引きこもりの子たちが経験してきたことの中には、社会課題の種がいっぱいある。プログラムを通して、彼らは支援される側ではなく、そうした課題を解決し、社会を変える側にいるということを、彼ら自身にも企業にも知ってもらいたい」と話した。
(嶋岡すみれ)