今回の贈収賄事件は、那覇市有地の所有権が発端とされる。久高友弘容疑者(75)らは、所有権を訴える女性の後見人の容疑者の女(71)側が本来の所有者だと主張。任意捜査を受ける不動産コンサルタント代表=当時=の男性(73)を含めて、所有権回復を旗印につながった形だ。
県警はその関係性の中で、久高容疑者の手腕や政治力への期待などから現金授受に至ったとの構図を描く。
容疑者の女は10年以上前から久高容疑者と所有権回復に向けた活動の全権委任の契約を交わしている。
長期間にわたる活動で訴訟費用や土地の調査費などの資金が必要となり、そこに協力を申し出たのが不動産コンサルの男性と、贈賄容疑で逮捕された無職の男(80)だという。
かつて「大物総会屋」として名をはせた無職の男の容疑者が調査能力や人脈を発揮し、同容疑で逮捕された会社役員の容疑者(70)を通じて資金を調達したとみられる。
また「所有権回復後には、大手企業が土地購入を希望している。その額は数百億円に上る」などと「絵に描いた餅」で話が膨らみ、所有権回復に向けての活動に拍車がかかったと関係者は話す。
だが、関係者によると、想定していた追加資金の調達が滞ったことに加え、議会での成果が見えないことなどから次第に関係が悪化。土地の関係書類を巡って民事調停にまで及んだ。関係性は修復されず、議長室での現金授受が表面化した。