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相次ぐ容疑者の逮捕、ものものしく 久高前議長の収賄容疑


相次ぐ容疑者の逮捕、ものものしく 久高前議長の収賄容疑 容疑者をブルーシートに覆い警察の車両に乗せる捜査員ら=15日午後、那覇空港
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 那覇市有地となっている市上下水道局関連用地の所有権を巡り、前那覇市議で市議会前議長の久高友弘容疑者(75)が収賄容疑で15日、逮捕された。議長室での5千万円授受発覚から約8カ月。事態は政治倫理が大きく問われる問題から、県都・那覇市の市議会前議長を含む4人が逮捕される贈収賄事件にまで発展した。

 久高容疑者自身が公の場で事実を明らかにすることのないまま至った逮捕劇。関係者には衝撃が走り、真相解明を求める声が相次いだ。

 午前7時前、那覇市内の久高容疑者の自宅マンションに捜査車両が到着すると、待ち構えていた報道陣のカメラのシャッター音が静かな住宅街に鳴り響いた。捜査員複数人が降り立ち、足早にマンションの階段を駆け上がり自宅に入った。

 その約1時間後。捜査員が持つブルーシートに姿を覆われながらマンションの非常階段を下りた久高容疑者は、そのまま報道陣に姿を見せることはなく捜査車両に乗り込み、警察署に向かった。

 捜査員が久高容疑者宅を訪れたほぼ同じタイミングで、共謀したとして逮捕された女の市内の自宅にも捜査員が踏み込んだ。ほど近くに市場があり、周辺では青果物の積み卸しがされる日常の風景が広がる中、およそ3時間後に久高容疑者と同様にブルーシートで覆われた形で、容疑者の女も捜査車両に乗り込んだ。

 午後7時過ぎ。那覇空港旅客ターミナルビル1階国内線到着口の出口脇に突如、県警捜査車両が現れた。約20分後、県警関係者が手にするブルーシートで覆われながら、同日に鹿児島県の自宅駐車場で逮捕された容疑者とみられる男が、車に乗り込み、空港を後にした。同空港の到着口周辺が旅行客らでにぎわう中、容疑者の護送はものものしい空気が漂い対照的な光景となった。