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「人の命、なんだと思っているんだ」 飛行継続に沖縄の米軍機事故の経験者ら オスプレイ屋久島沖墜落


「人の命、なんだと思っているんだ」 飛行継続に沖縄の米軍機事故の経験者ら オスプレイ屋久島沖墜落 嘉手納基地を離陸した、米海軍の垂直離着陸輸送機CMV22 オスプレイ=11月30日午後5時10分ごろ、米軍嘉手納基地
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中部】オスプレイの屋久島沖墜落事故から一夜明けた30日、安全が確認されてからの飛行再開を日本政府が求めたにも関わらず、県内ではオスプレイが離着陸する様子が確認された。繰り返される事故や市民の声が無視され続けることに、米軍機事故などを経験した人たちなどからは「いつまでこんな目に遭わないといけないのか」と憤りの声が上がった。

 うるま市に住む東智子さん(70)は1965年、旧読谷飛行場で行われていた米軍パラシュート降下訓練の事故で友人を亡くした。降下訓練に抗議の声を上げ続けるが、今もなお訓練は実施される。事故後もオスプレイが飛行を続ける状況を当時と照らし合わせ、「降下訓練の事故の時からずっと、米軍は市民の声どころか存在すらも目に入っていない」と憤る。「人の命をなんだと思っているんだ」と怒りをあらわにした。

 宜野湾市喜友名に住む男性(61)は、沖国大でのヘリ墜落事故の瞬間を目撃した。今でもヘリが上空を通ると、物陰に隠れようと体が動いてしまう。屋久島沖での墜落事故後、基地周辺自治体などが飛行停止を求める中でも飛行が続く状況に、悔しさをにじませる。「“隣人”というのであれば、安全確保ができるまで飛ばずに点検するなど行動してほしい。軍としての威厳があるのか、飛行が続いているのはおかしい」と語気を強めた。

 (金盛文香、石井恵理菜)