米空軍の輸送機CV22オスプレイの墜落事故から一夜明けた30日、県内では宜野湾市の普天間飛行場などからオスプレイの離着陸や飛行が相次いで確認された。県や宜野湾市が飛行停止を求める中、地元の要請を無視して継続した形だ。日本政府は30日も飛行停止を求めていない。日本側は上川陽子外相、木原稔防衛相、防衛省職員が「安全が確認されてからの飛行再開」を求めるにとどめた。
今回の事故について、オスプレイの技術評価を担当した元主任分析官レックス・リボロ氏は入手可能な事実があまりないとした上で「相互接続クラッチに問題があることを意味する」と指摘した。
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防衛省によると、事故直後から、防衛省が安全確認を申し入れた30日午前8時ごろまでに普天間飛行場でMV22オスプレイの離着陸が14回あった。申し入れ後から午後3時半までには普天間飛行場で18回、嘉手納基地で2回の離着陸が確認されている。
琉球新報による目視確認でも、午前10時ごろから普天間飛行場から複数機が離陸するのが断続的に確認され、午後2時半ごろには2機編隊のオスプレイが離陸する様子が確認された。普天間飛行場がある宜野湾市に加え、嘉手納町や読谷村、北谷町、宜野湾市より南側にある浦添市や那覇市の上空を飛行する様子も確認された。
午後4時ごろには普天間所属のオスプレイ2機が嘉手納基地に飛来し、人員や荷物を搬出した後に離陸した。午後5時すぎには米海軍仕様のCMV22が2機、嘉手納基地を離陸するのも確認された。
松野博一官房長官は会見で、政府の要請後も米軍のオスプレイが飛行を継続している情報には接しているとした上で「米側と緊密に連携して安全の確保に努めてまいりたい」と述べるにとどめた。
(知念征尚まとめ)
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