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名護市、消防庁舎の跡地「買い戻し」へ 商業施設建設のめど立たず 沖縄


名護市、消防庁舎の跡地「買い戻し」へ 商業施設建設のめど立たず 沖縄 宿泊・商業施設の建設が予定されていた旧名護消防庁舎跡地(2021年3月撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 増田 健太

【名護】名護市が民間企業に売却し、ホテル建設が予定されていた市東江の旧消防庁舎跡地について、同市は1日までに土地を買い戻す方針を決めた。買い戻し費用3億7800万円を盛り込んだ補正予算案を市議会12月定例会に提案する。

 跡地にはホテルを含めた商業施設の建設が予定されていたが、コロナ禍以降計画の変更があり、今年4月には6回目の着工延長申請が事業者側から出されていた。市によると、事業継続の条件だった図面の提出が、期限の10月末までになされなかった。

 市は2019年に大和ハウス工業沖縄支店とアベストコーポレーションの共同企業体(JV)に跡地を4億2千万円で売却しており、違約金4200万円を差し引いた額を買い戻し額とする。

 一方、土地の所有権は、開発にかかわる別の不動産業者サーバント(名護市)に移っている。所有権継承や事業の遅れなどを巡り、住民訴訟が提起されていたほか、市議会で野党が追及していた。

 跡地は議会での可決をへて、再び市有地となる見通し。市の担当者は「地域のにぎわいが図られるような活用を検討する」としている。 (増田健太)