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ドキュメンタリー映画「沖縄戦の図」に大賞 平和・協同ジャーナリスト基金賞 佐喜真美術館が制作


ドキュメンタリー映画「沖縄戦の図」に大賞 平和・協同ジャーナリスト基金賞 佐喜真美術館が制作 ドキュメンタリー映画「丸木位里・丸木俊 沖縄戦の図 全14部」を製作した(右から)河邑厚徳監督、製作を担当した佐喜眞道夫館長、佐喜眞淳助監督=4月1日、宜野湾市の佐喜眞美術館
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 平和や反核、人権擁護の分野で優れた報道をした個人や団体を対象にした「第29回平和・協同ジャーナリスト基金賞」の受賞者が5日、発表された。大賞に当たる基金賞には、佐喜眞美術館制作のドキュメンタリー映画「丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部」〈河邑(かわむら)厚徳監督〉が選ばれた。16日に東京都で贈呈式が開かれる。

 「沖縄戦の図」は、「原爆の図」で知られる画家の故丸木位里、俊夫妻の作品。全14部からなり、1982~87年に沖縄に通って体験者の証言などを基に描いた。全て宜野湾市にある佐喜眞美術館に収蔵されている。映画では14部全てを紹介し、絵が描かれた現場など制作過程を記録している。

 選考委員会からは「沖縄戦の悲劇を描いた大作の創造プロセスを明らかにすることで、沖縄で再び戦争を繰り返してはならないと訴えている」との評価があった。

 奨励賞は、高知新聞学芸部長・天野弘幹氏のシリーズ企画「美しき座標―平民社を巡る人々」、中日新聞記者・林啓太氏の「ウクライナ、パレスチナ非戦の俳句」、信濃毎日新聞編集委員・渡辺秀樹氏による「連載・憲法事件を歩く」など7点。他の奨励賞は次の通り。

 【奨励賞】ストームピクチャーズ(さいたま市)制作の「時代遅れの最先端 風の谷幼稚園の子どもたち」〈五十嵐匠監督〉▽朝日新聞宇都宮総局員・高橋淳氏の「ブラック支援 狙われるひきこもり」〈角川新書〉▽写真家・高橋美香氏の「パレスチナに生きるふたり ママとマハ」〈かもがわ出版〉▽朝日新聞編集委員・豊秀一氏の長年にわたる憲法に関する一連の報道