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「沖縄戦の図」久米島で上映会 丸木夫妻の鎮魂の軌跡たどる


「沖縄戦の図」久米島で上映会 丸木夫妻の鎮魂の軌跡たどる 上映会であいさつを行う佐喜眞美術館の佐喜眞道夫館長=8月19日、久米島町具志川農村環境改善センター(提供)
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 【久米島】映画「丸木位里 丸木俊 沖縄戦の図 全14部」(河邑厚徳監督)の上映会が8月19日、久米島町具志川農村環境改善センターで、佐喜眞美術館主催で行われた。宇江城詮町教育長ら約50人が鑑賞した。
 「沖縄戦の図全14部」は、画家の丸木位里さん俊さん夫妻が沖縄戦体験者や久米島町出身の上江洲トシさん、元県知事の大田昌秀さんらから聞き取りし、沖縄戦関係本を参考に、1982年から87年にかけて描いた作品で、宜野湾市の佐喜眞美術館に収蔵されている。
 映画は丸木さんの「人間といのち」への深い鎮魂の軌跡をたどるドキュメンタリーで、佐喜眞美術館の収蔵作品の中に「久米島の虐殺(1)と(2)」があり、今回久米島で上映するきっかけとなった。
 上映会に先立ち、久米島住民虐殺者を悼む「痛恨の碑」を訪れた佐喜眞道夫館長は「生活の場が戦場となる地上戦を体験しなかった日本人は、地上戦を体験した沖縄の人々から学ばねばならない」と舞台あいさつした。
 上映会に参加した新垣幸子さんは「今回上映された丸木位里さん、俊さんの沖縄に対する熱い思いやお人柄に心を打たれた。沖縄戦の図を一人でも多くの方に見ていただき、みんなで平和を求めていきたい」と感想を述べた。
 県内外で上映会が行われ、丸木夫妻が最後に「沖縄戦の図」を描いた地、読谷村でも上映会が行われた。(中島徹也通信員)
上映会であいさつを行う佐喜眞美術館の佐喜眞道夫館長=8月19日、久米島町具志川農村環境改善センター(提供)