有料

沖縄奨励賞1団体1氏 イモ病害虫根絶 日室氏ら フクギ調査 陳氏


沖縄奨励賞1団体1氏 イモ病害虫根絶 日室氏ら フクギ調査 陳氏 (左)陳碧霞さん (右)日室千尋さん
この記事を書いた人 Avatar photo 斎藤 学

 【東京】沖縄協会(清水治会長)は6日、沖縄の地域振興や学術振興に貢献する人材の発掘と育成を目的にした沖縄研究奨励賞の第45回(2023年度)受賞者を発表した。自然科学部門からアリモドキゾウムシ根絶研究グループ(日室千尋さん、池川雄亮さん)と、琉球大学准教授の陳碧霞(チェン・ビシャ)さんが選ばれた。

 カンショ(サツマイモ)を食害するアリモドキゾウムシの根絶を研究する同グループは、ミバエ類での成果を踏まえ、不妊虫放飼法を用いた研究成果が評価された。グループは久米島での根絶プロセス成功をはじめ、うるま市の津堅島でも行い広域での実用化に向け成果を上げた。グループ代表の日室さん、池川さんは琉球産経の研究員。

 陳さんは、琉球列島の伝統集落景観とフクギ屋敷林老木分布に関する調査研究が評価された。偶然流れ着いたフクギの種子が西表島のフクギ屋敷林を形成し沖縄全土に広がったとの仮説を立て研究。加えて琉球列島に現存するフクギ3万本余の樹高や幹の太さなどを測定し集落ごとのデータベースを作成した。包括的保全につながる成果が認められた。

 今回の研究奨励賞には7府県から14件(自然科学10件、人文科学1件、社会科学3件)の応募があった。贈呈式と受賞者の記念講演は来年1月24日に那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれる。

 (斎藤学)