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サトウキビが心配… 南北大東島、年間降水量が最少の見通し 梅雨や台風時も少雨


サトウキビが心配… 南北大東島、年間降水量が最少の見通し 梅雨や台風時も少雨 12月末の収穫開始に向けて成長状況を確認する北大東製糖の吉原徹さん=11月15日、北大東島
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 【南北大東】今年上半期に記録的な干ばつに見舞われた南北大東島。8月に台風6号の影響でまとまった雨が降ったものの、例年比で少雨傾向が続き、年間降水量が記録史上最少となる見込みであることが分かった。

 気象庁データによると11月末までの降水量は南大東で664ミリ、北大東は704・5ミリ。年間降水量が最も少なかったのは、南大東が2002年の1050ミリ、北大東は03年の1037ミリだ。残り1カ月あるものの、両島とも300ミリ以上の差がある。南大東島地方気象台は1日、「平年値並みの降水量があったとしても届かず、最少を更新する可能性が高い」と話した。

 南大東は1942年、北大東は2003年からの統計開始から最少となる。

 気象庁データで、年間降水量の平年値は、南大東が1639・4ミリ、北大東が1469ミリ。両島とも11月末現在でその半分以下だ。今年の少雨の要因について、同地方気象台は(1)梅雨時期に梅雨前線が停滞しにくかった(2)接近した台風による雨が少なかった―の2点を挙げた。

 両島では12月に始まるサトウキビの収穫への少雨の影響が見込まれる。南大東村などによると同村では今期、7万5千トンの収穫を見込んでおり、8万トン以上を収穫した昨年から5千トン以上減少する予想。北大東村の見込みは1万7313トン。平年値2万4700トンから7300トン超のマイナスだ。

 北大東製糖事業本部長の吉原徹さんは「記録的な干ばつの中で、もっと減ると予測していた」と話す。回復した要因について、9月以降に少ないものの定期的に雨が降ったことを挙げた。この傾向は南北両島で同じ。さらに吉原さんは「雨が降らないと成長が止まり、糖度が高くなる」と説明し、単価が上がる可能性を示した。

 (岩崎みどり)