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辺野古新基地の地元、久辺3区の受け止めは? 賛否入り交じる 代執行訴訟で県敗訴


辺野古新基地の地元、久辺3区の受け止めは? 賛否入り交じる 代執行訴訟で県敗訴 米軍普天間飛行場の移設先、沖縄県名護市辺野古の沿岸部。手前の大浦湾側には軟弱地盤が見つかっている
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 【名護】代執行訴訟で県の敗訴が確定し、久辺3区(名護市辺野古、久志、豊原)の住民の賛否は分かれている。

 元久志区行政委員の森山憲一さん(81)は、県の敗訴について「(基地建設を)止められると思っていたことが、止められないと分かった。ただそれだけだ」と淡々と語った。2004年4月には、那覇防衛施設局(現沖縄防衛局)による辺野古沖のボーリング調査の着手を阻止しようと、辺野古漁港で抗議し、基地建設反対の声を上げてきた。森山さんは「これまで何度期待を裏切られてきたか」と声を落とすも「負けたからしょうがないじゃない。これからも反対の意思は変わらない」と話した。

 豊原区の70代男性は「本音は反対だけど、埋め立てはしょうがないと思う人が増えているのではないか。早く工事を終わらせて、その後の問題を防衛局と協議した方がいい」と話す。男性は、工事が遅れると普天間飛行場の撤去にも影響が出ると懸念し、「県などが反対する気持ちも分かるが、ここまで工事が進んだ以上、工事を進めて普天間を撤去した方が早いのではないか」と語った。

 辺野古区行政委員を務める島袋権勇さん(75)は「辺野古は以前から条件付きで容認の立場だ」と語る。同区はこれまで、新基地建設に伴う個別補償などを求め国と交渉しており、「いつまでも反対していると、容認側ははがゆい思い。裁判の結果も出た。県は工事を進めてほしい」と話した。

 (金城大樹)