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地方自治の形骸化危惧 オール沖縄会議が学習会


地方自治の形骸化危惧 オール沖縄会議が学習会 オール沖縄会議の勉強会で講演する白藤博行専修大名誉教授=26日、那覇市の教育福祉会館
この記事を書いた人 Avatar photo 金良 孝矢

 名護市辺野古の新基地建設を巡る代執行訴訟判決を受け、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は26日、地方自治と民主主義社会を守るための学習会「不当判決にどう抗うか」を那覇市の教育福祉会館で開いた。講演した白藤博行専修大名誉教授(行政法、地方自治法)が福岡高裁那覇支部による判決の問題点などを解説。憲法が保障する地方自治の形骸化を危惧した。

 白藤氏は、高裁判決が新基地建設に反対する県民感情に理解を示し、国と県の対話による抜本的解決を求めた付言に着目。理解を示しながら判決に反映していないとして、「抜本的解決は自分たちではできないと言っている。県民に寄り添わない、いびつな法律論と心情論の仕分けをしている」と批判した。

 玉城デニー知事が新基地建設に反対していることは、憲法の前文にある「人類普遍の原理」に基づくと指摘。「地方自治の精神にも基づき、公有水面埋立法の解釈も間違っていない」と強調した。

 勉強会では桜井国俊沖縄大名誉教授(環境学)も講演。高裁判決は「実体審理をしていない」と述べ、辺野古や大浦湾の環境保全を訴えた。会には約100人が訪れた。

 (金良孝矢)