ハンガーストライキ始まる 具志堅さん「ウチナーンチュは国の言いなりにならない」 辺野古新基地 大浦湾側着工


ハンガーストライキ始まる 具志堅さん「ウチナーンチュは国の言いなりにならない」 辺野古新基地 大浦湾側着工 大浦湾の埋め立てに反対し、ハンガーストライキを展開する沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(中央)ら=10日、那覇市の県民広場
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 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(69)は10日、戦没者の遺骨が混じる南部の土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使わないよう沖縄防衛局や県に求め、那覇市の県民広場でハンガーストライキを始めた。12日午後5時までの予定。10日に代執行で大浦湾側の工事が始まったことを受け、具志堅さんは「頭を殴られたような思い。辺野古の行き着く先は第二の沖縄戦だ。工事が始まったからもう駄目ということはない。ウチナーンチュは国の言いなりにならないということを示していかなければ」と力を込めた。

 沖縄防衛局は大浦湾側の埋め立て土砂の採掘候補地に沖縄戦の激戦地となった本島南部を挙げている。具志堅さんのハンガーストライキでは①防衛局はただちに沖縄南部地区を土砂採取予定地から外すこと②知事は毅然(きぜん)とした態度で南部からの土砂調達計画を撤回させるよう全力を挙げること―を求めている。


 具志堅さんは、埋め立て申請承認の「留意事項」で土砂採取場所に関し、知事の承認を受けることとされていることに触れ、「どれだけ毅然と向き合うかが知事に求められている。しっかり覚悟を決めて県に臨んでほしい」と訴えた。

 平和市民連絡会の北上田毅さんも、土砂の採取場所について県の審査を受けないまま工事を進める国を批判。海に投下された採石が洗浄されていないことなども含め、公有水面埋立法や留意事項など県との約束を「無視して強引に進める国のやり方はとても許せない。県は傍観するのではなく、強く防衛局に言うべきだ」と訴えた。

 これまでのハンガーストライキと異なり、具志堅さんは南部土砂の問題だけでなく、「台湾有事」を名目に沖縄で進む軍備強化の問題も訴えた。安全保障を沖縄だけに負担させるやり方を「国民にも考えてほしい」と強調。その上で「日米の軍事拠点化は私たちの生存を脅かすことになる。平和は政府に与えられるものではなく、ウチナーンチュ自らつくっていかなければならないことを、きょう認識させられた」と語り、軍備強化に反対する運動を県内で一層強めていく必要があるという考えを示した。