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「沖縄へ無関心の表れ」「他県と同等には語れない」 TBS番組企画「方言禁止記者会見」、識者はどう見たか


「沖縄へ無関心の表れ」「他県と同等には語れない」 TBS番組企画「方言禁止記者会見」、識者はどう見たか
この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報朝刊

 TBS系の番組で沖縄出身の俳優が出演し、「方言禁止記者会見」と題して行われた企画について、うちなーぐちの普及活動や文化発信に取り組む人たちからは、沖縄の歴史への理解不足を指摘する声などが上がった。

番組公式アカウントによる番宣投稿
番組公式アカウントによる番宣投稿

 うちなーぐち講師の比嘉光龍さんはX(旧ツイッター)で「うちなーぐち(おきなわ語)は方言ではない。その視点で考えた時にこういう番組をどう捉えるか。怒りを通り越して、ただただ悲しい。我々琉球人はこれに反応するべきだ」と投稿した。取材に対し、比嘉さんは沖縄の歴史を踏まえ「うちなーぐちが方言と言われ、さげすまれてきたことについて、社会に注意を促したい」と強調した。

 この企画は過去に他県出身の俳優が挑戦し、TBSは「好評だった」とした。だが、沖縄大非常勤講師の親川志奈子さんは「沖縄に対する加害性や歴史に関する無知、無関心の表れだと思う。沖縄の歴史を見た時、他県の人が出身地のアクセントが出てしまったという面白さと同等に語ることはできない」と話した。

 一方、うちなーぐちの伝統的な表記を求めて活動する「うちなーぐち会」会長の源河朝盛さんは「沖縄の人を見下す趣旨の企画であれば問題だが、うちなーぐちを知ってもらう機会でもあるため、単純に善しあしをはかるのは難しい」と捉えた。

 ただ、番組で使用されたのは、伝統的な「うちなーぐち」とは異なると指摘する源河さん。「むしろ、うちなーぐちが誤って広まってしまうことに危機感がある」とも話した。

 (伊佐尚記、渡真利優人、古堅一樹)