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平良進さんは「今の沖縄文化を引っ張ってきた」 関係者ら突然の訃報に悲しみ


平良進さんは「今の沖縄文化を引っ張ってきた」 関係者ら突然の訃報に悲しみ 舞台で演じる平良進さん=2018年4月28日、那覇市のパレット市民劇場
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 沖縄芝居役者の平良進さんは亡くなる直前まで公演の出演者に名を連ねるなど、舞台や映画に精力的に挑戦してきた。舞台を共にした役者やプロデューサーらは、沖縄を代表する役者の突然の訃報に驚き、悲しんだ。

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 沖縄芝居役者の瀬名波孝子さん(92)は「沖映演劇」や国立劇場主催公演で共演した。「のんきだけど二枚目で観客からモテていた」と思い出を語る。21日に宜野座村の公演で共演予定だった。「体調を崩していると聞いてはいたが…」と驚きを隠さない。

 国立劇場おきなわ芸術監督の金城真次さん(36)は20歳頃から、芝居や舞台作りを共にした。「若い人に興味を持ち(作品の)細かい部分まで見てくれた。『沖縄の芸能は踊りとつながっている。踊りを大事に』と言われた。肝に銘じたい」と語った。

座長として恋歌劇「冬ぬ夜雨」の稽古をする平良進さん=2019年12月17日、宜野湾市

 エーシーオー沖縄代表で演劇プロデューサーの下山久さん(76)は平良さんの出演作を多く手がけた。平良さんは沖縄芝居の枠を超え、オペラなどをモチーフにした新作組踊の舞台にも取り組んだ。「今の沖縄の文化を引っ張ってきた人だ」と強調する。昨年12月に上演された演劇「亀岩奇談」には、本番3日前の稽古まで参加していたが、体調が優れず出演を見送った。「『最後の舞台になるかもしれないけど、頑張る』と。最期まで舞台に立つということを意識していた。残念です」と惜しんだ。

(田吹遥子、田中芳)