少雨傾向で沖縄本島内11ダムの貯水率が低下していることを受け、県企業局は11日午前、有機フッ素化合物(PFAS)汚染対策で停止していた中部水源からの取水を再開したと発表した。11日午前0時時点の貯水率は49.9%で50%を下回った。平年値に比べ27・1ポイント低い状況となっている。
11日は、嘉手納井戸群で午前9時6分、天願川で午前9時5分にそれぞれ取水を再開した。
県企業局の担当者はPFAS汚染への懸念が高い中部水源からの取水について「北部のダム水源と希釈し、北谷浄水場に入る段階でPFAS濃度は国の暫定指針値(PFOSとPFOA合計で1リットル当たり50ナノグラム)を下回っている。高機能活性炭処理でPFAS濃度を可能な限り低減し、PFASの測定や発表の頻度も増やしていきたい」と述べた。
貯水率が50%を下回ったことについて、企業局の担当者は「この時期に50%を切るのは、かなり厳しい状況だ。県民の皆さまに節水をお願いしたい」と呼びかけた。
3月上旬からは長田川の取水も開始予定。嘉手納井戸群や天願川、長田川は昨年4~12月の平均で、水源での国のPFAS暫定指針値を下回ってきた。北谷浄水場でPFAS除去を施した水は、那覇市など7市町村に供給される。
(中村万里子)