沖縄県・名護市辺野古新基地建設の設計変更申請を巡り、国土交通相が代執行した承認は違法だとして、辺野古周辺住民やマリンレジャー事業者ら30人が22日、国交相の承認取り消しを求める新たな抗告訴訟を那覇地裁に起こした。沖縄防衛局の変更申請は公有水面埋立法の要件を満たさないとして、新基地建設の違法性を司法に問う。
訴える相手は国だが、訴訟の入り口論で訴えが退けられる「門前払い」などを避けるため、承認の行為の帰属が考えられる県を被告とした訴訟も併せて提起した。弁護団は、新基地建設反対の県を支持する立場は変わらないとし、「やむなく県を提訴」したとした。
新基地建設を巡る住民による訴訟は今回で6、7件目。国の代執行を巡る提訴は全国初。新基地建設に反対する民意が示された県民投票(2019年2月24日)から、5年目となる直前の提訴となった。
原告団の東恩納琢磨団長(62)=名護市瀬嵩=は「豊かな海を壊すまで、新基地建設が必要なのか。裁判所には中身の審理に入ってもらいたい」と訴えた。
住民らによる継続中の新基地建設を巡る訴訟はほか2件ある。県による変更申請不承認を取り消した国交相裁決の取り消しを求めた訴訟は那覇地裁で係争中。県による埋め立て承認撤回を取り消した国交相裁決の取り消しを求めた訴訟の控訴審は、福岡高裁那覇支部で1月に結審したが、判決期日はまだ示されていない。