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新基地反対、叫びたいけれど 県民投票5年 宜野湾市民の思い 普天間返還求め葛藤


新基地反対、叫びたいけれど 県民投票5年 宜野湾市民の思い 普天間返還求め葛藤 米軍普天間飛行場(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 琉球新報は昨年11月、「歩く民主主義 100の声」の企画で、宜野湾市の普天間飛行場周辺の住民100人から辺野古新基地建設の賛否の度合いなどを聞いた際、2019年の県民投票の投票行動も聞いた。

 内訳は、「賛成」に投票15人▽「反対」に投票32人▽「どちらでもない」に投票3人▽投票していない・その他50人。

 賛成に投票した60代の元建設業男性が「辺野古はお金を使っても失敗する」と新基地建設に異論を唱えるなど、5年で変化があった。変化の割合が大きいのは「反対」に投票した人で、6人(19%)が「辺野古新基地建設賛成」を選んだ。

 70代元漁師男性は「今更反対は無理。アメリカには勝てない」。40代事務職女性、50代飲食業男性、60代事務職女性の3人は「危険性除去が最優先」と回答した。

 70代主婦は「反対を叫びたい気持ちはあるが、午後11時まで米軍機が飛んでいるので、『辺野古が唯一の解決策』というなら辺野古に。辺野古の人に申し訳ない気持ちだ」と語った。

 「本当は反対だけど、とても弱い賛成」(70代自営業女性)と消極的な賛成が大半だ。いずれも「とても悩ましい」と葛藤を打ち明け、「普天間飛行場の早期返還のため」という政府の説明を「信頼する」という人は6人の中にいなかった。

 5年間で賛成・反対双方に動きがあるが、普天間飛行場周辺住民100人全体では「辺野古反対」が45人、「賛成」39人だった。政府の代執行後の昨年12月末に那覇空港で県内在住者50人に聞いた調査でも、「反対」29人、「賛成」13人で、いずれも「反対」が上回っている。

 (南彰)