比謝川からの取水28日にも再開 PFAS検出に県「高機能活性炭で除去、安心を」 市町村へ説明会


比謝川からの取水28日にも再開 PFAS検出に県「高機能活性炭で除去、安心を」 市町村へ説明会 受水市町村の担当者らに、比謝川からの取水再開方針について説明する県企業局の石新実技監(中央)=26日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 

 少雨によって沖縄本島内の11ダムの貯水率が低下している事態を受け、沖縄県企業局は26日、有機フッ素化合物(PFAS)濃度の高い比謝川からの取水再開方針について、受水市町村への説明会を実施した。27日に沖縄総合事務局や県などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会に提案して最終決定し、28日にも取水再開する予定。

 貯水率は26日午前0時時点で44・7%となり、まとまった降雨がなければ28日には過去10年間で最低だった2018年6月14日の44・3%を下回ることが確実視されている。

 企業局の1月24日の検査では、比謝川からは国の暫定目標値(1リットル当たりPFOSとPFOA合計で50ナノグラム以下)を上回る152ナノグラムのPFASが検出されている。企業局の予測では、北部からの水と合わさって希釈され、北谷浄水場に入る段階では同26ナノグラム程度となり、さらに高機能活性炭での除去によって低減される見込みだ。浄水の予測値は現段階では示せないが、取水再開後も毎週検査し、ホームページなどで公表していく。

 石新実企業技監は「比謝川は(PFASの)濃度が高い水源だが、高機能活性炭での除去によって、浄水では国の暫定目標値を大きく下回る。安心してほしい」と話した。さらなる節水が必要だとして、県民に協力を呼び掛けた。

 渇水の進行を受けて、企業局は11日からPFAS汚染対策として取水を停止していた中部水源のうち、比較的PFAS濃度の低い嘉手納井戸群と天願川からの取水を再開した。企業局によると19日の検査で、天願川からは1リットル当たり45ナノグラム、嘉手納井戸群からは同30ナノグラムが検出された。高機能活性炭による吸着によって、浄水としては同1ナノグラム未満まで低減している。

 説明会に参加した宜野湾市上下水道局の担当者は「企業局からは必要な情報をもらえている。市民に丁寧に説明していきたい」と話した。