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「怖くて言いにくい」 新たなアンケート、市職員が安心して回答できるか焦点に 南城議会・特別委 沖縄


「怖くて言いにくい」 新たなアンケート、市職員が安心して回答できるか焦点に 南城議会・特別委 沖縄 特別委員会でアンケートの実施方法を提案するゆまぢり会の新里嘉会派長(右から2人目)=29日、南城市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、市役所内のハラスメントに関する南城市議会の特別委員会は第2回会合を29日に開き、市職員を対象に新たにアンケート調査を実施することを決定した。

 ただ、与党会派が提案した実施手法は市の関与を前提としている。職員から「怖くて言いにくい」という声が上がる中、対象者が安心して回答できるアンケートが実施できるかが今後の焦点となる。

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 委員長の安谷屋正副議長(ゆまぢり会)はアンケートについて「特別委員会が主体となって項目を決めて実施する」と強調した。
実施方法は「第三者に委託するとの意見もあるが、市も協力すると答弁していたので今後の検討とする。結果は特別委で集約し、われわれのできる範囲で精査分析するべきだ」との見解を示した。

 会合では調査の独立性が議論になり、与野党の意見が分かれた。与党・ゆまぢり会の新里嘉会派長は「特別委が独自にやるのは無理。執行部に協力してもらい、アンケートを提案する」と発言。野党会派は市職員が安心して回答できる実施方法の重要性を指摘し、真南風会の徳田高男市議は「第三者に任せた方がいい」と述べた。

 市議有志が実施して同日、詳細を公表したアンケート結果では「個人を特定されるのが怖い」「市長がやることは誰も何も言えない。上司も見て見ぬふりで相談できない」など、不安の声が寄せられていた。

 特別委に付託された百条委員会の設置を求める陳情と、議会が市に対して第三者委員会の設置を求めて行動するよう要求した陳情については、先送りになった。特別委の次回の開催日程は未定。

(上江洲仁美、南彰)