【宮古島】高校入試の際、昼食時間に受験生が家族と弁当を囲む宮古島の“風物詩”に異変が生じそうだ。市内にある県立高3校が6日に始まる入試で家族や親族、部外者の学校内立ち入りを禁止することが5日、分かった。3校の校長が話し合い、方針を確認した。宮古島市以外ではなかなか見られない、一風変わった慣習なだけに、保護者からは「楽しみにしていただけに残念だ」などの声が上がった。
宮古総合実業高校の千葉直史校長によると、2019年3月の入試を最後に、新型コロナウイルスの感染防止対策で家族や親族の校内立ち入りを禁止していた。本年度、3校の校長が集う研修会で、部外者が校内に立ち入るリスクも踏まえ、安全に入試を実施するため市外の県立高校と同様に、家族や親族の立ち入りを禁止する方針を確認したという。
高校受験を控えた娘を持つ女性は「宮古の風習として経験するものだと思っていたので残念だ。私よりも楽しみにしていた夫はもっと残念がっている」と苦笑いした。
別の40代の保護者の女性は「私が受験生の時には両親や友人家族と一緒に昼食を食べたので、その伝統がなくなるのは寂しい。コロナで学校行事も短縮されるなど、流れが変わってきていると感じた」と語った。
(友寄開)