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「借りて返す、半永久連鎖」元ヤミ金業者が語る搾取の手口 高金利、完済させず「押し貸し」も 沖縄


「借りて返す、半永久連鎖」元ヤミ金業者が語る搾取の手口 高金利、完済させず「押し貸し」も 沖縄 机に置かれた紙幣(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県内を拠点とするヤミ金グループの男らが相次いで摘発されるなど、県内ではヤミ金の不当な高金利に苦しむ債務者は少なくない。かつて県内でヤミ金業をしていた男性が5日までに琉球新報の取材に応じた。男性は「その場しのぎの金を借りさせ、返せなくなったら別の業者から金を借りて返させる。次々と関わるヤミ金業者が増え、取り立ても厳しくなる」と負の連鎖の実態を明かした。

 元ヤミ金業者の男性によると那覇市や沖縄市などの市街地を中心に、ヤミ金業者はいくつかのグループに分かれ無店舗でインターネットなどを介して客を募っていた。客はすでに消費者金融や知人から金を借り、生活費に困窮している人のほか、ギャンブルやアルコール依存の人、生活保護受給者も。一度借りると数日後に別のヤミ金に返済のため、また借金をする。借りては返すの自転車操業状態に陥るという。

 ヤミ金業者から現金数万円を借りた経験がある飲食店経営の60代女性は「少額なのでその都度払っていたが、1年以上も返済が続き、元金の倍以上の金を支払った」と話す。女性が借金を完済しようとした際、ヤミ金業者は借りる約束をしていないにも関わらず、店に現金を置いて立ち去った。押し貸しをされた女性は完済までの期間を延ばされ、利息を払い続けたという。

 ヤミ金業者の中には、自身も別のヤミ金業者からの借金があり、客の返済が滞ると自身の返済に影響することから、債務者にしつこく電話を掛ける「鬼電」などの激しい取り立て行為に及ぶ者もいるという。

 取材に応じた元ヤミ金業の男性は数年前、自身も債務超過となり自己破産して県外へ移り住んだ。男性は「手を出しやすい少額の金を貸し付け、完済させずに半永久的に利息を取り続けるのも手口の一つ。返済が滞れば自宅や職場に嫌がらせをし、債務者が金を支払った方が楽な状況に追い込む」と言う。「一度ヤミ金に手を出すと関係を断ち切らない限り搾取され続ける」と話し、いわゆる貧困ビジネスの側面がにじみ出ていると指摘した。