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研究者ら「精神的支援を」 沖縄県ひとり親実態調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県ひとり親世帯実態調査を実施した沖縄大学の島村聡教授と山野良一教授、琉球大学の二宮元教授らは29日、県庁で会見を開いた。山野教授は、物価高騰の影響が大きい調査結果に「教育費がかかる子育て世帯は貯金がないケースも多く、今後は借金や水道光熱費の滞納などでより深刻な事態になることが危惧される」と指摘した。

 島村教授は、公営住宅に比べ民間借家の家賃が高いことを強調し「公営住宅を増やすことも重要だが、民間借家に住む世帯の助成も考えないといけない」と述べた。困窮度が増すと精神的な問題も起きやすくなるとして「親のメンタル問題が子に転嫁されヤングケアラーにもつながる」として心的支援も必要とした。

 二宮教授は、低家賃の公営住宅を増やすと周辺地域の家賃相場が下がるなど、海外の住宅負担軽減策を紹介した。困窮世帯への家賃補助は「手法を間違えると大家に対する補助になりかねない」として「メリットデメリットを考えた施策にする必要がある」と語った。

 玉城デニー知事は、4月に創設するこども未来部で「ひとり親世帯などの施策を充実・強化し、未来ある子どもたちと家庭の支援に努める」とのコメントを発表した。