廃棄バットを花器に再生 県内球児ら 思い出残し、収益も


廃棄バットを花器に再生 県内球児ら 思い出残し、収益も 使えなくなった金属バットを加工し、販売されたフラワーベース=30日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇
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 県高校野球連盟(屋良淳会長)は、3月の選抜高校野球大会と県春季大会から反発力を抑える新基準の金属バットに移行したことを受け、「高校野球SDGs廃棄バットアップサイクルProject」に取り組んだ。使用されなくなった旧基準バットを花器や鉛筆立てなどに加工・販売し、売り上げで新基準バットを購入するという仕組みだ。

 新基準へ移行すると、県高野連に加盟する66校から約千本の廃棄バットが出る見込みだった。屋良会長は「廃棄するのはもったいない。子どもたちの思い出(のバット)を形に残せないか」と思案。1本3万~4万円の新基準バットの購入負担を軽減することも狙い、同プロジェクトを発案した。

 嘉手納、南部工、中部農林、南部農林の4校が協力した。屋良会長や教員らが指導しながら生徒らも加工に携わり、40~50本のバットから約100個の品を作った。メーカー名を残すなど、バットだったことが分かるように工夫した。

 3月20日の春季大会開幕後、会場の沖縄セルラースタジアム那覇で加工品を販売し、30日には完売した。売り上げで高野連が新基準バットを購入し、各校に寄贈する予定だ。販売を手伝った首里高2年の松田陽貴さん(17)は「歴史あるバットが再利用されるのはありがたく、より道具を大事にしたいと感じた」と話した。

 (名波一樹)