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「新しい日常」を模索 コロナ5類移行1年 感染症備え、手指衛生継続 医療・福祉現場


「新しい日常」を模索 コロナ5類移行1年 感染症備え、手指衛生継続 医療・福祉現場 看護師らから手指衛生の指導を受ける琉球大学医学部の1年生=4月24日、琉球大学
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 教訓を忘れずに―。新型コロナウイルス感染症の法的な位置付けの5類移行から8日で1年となるが、医療や福祉、教育の現場では、コロナ禍の経験を踏まえた「新しい日常」の模索が続く。

 琉球大学の大湾知子准教授も「感染予防の大切さがコロナの教訓。いずれ別の感染症が現れる」と、手指衛生の継続を訴える。4月、医学部の1年生全員を対象に特別講義を実施した。「沖縄を守るのはあなたたちの手」と語り、菌が残りやすい指先や手首の洗い方を実演してみせた。

 県内で特別養護老人ホームなど4施設を運営する社会福祉法人は5類移行後、対面での面会を再開した。浜下りの散策など外出も元通りに。ただし面会時間は15分以内で、人数も制限する。元々はなかった制限だが、担当者は「3カ月前にもクラスターが起きたし、コロナ前と同じにはできない」と話す。

 また、高齢者施設などを経営するSYMケアサポートの前泊秀斗社長は「コロナ禍で始まった医療と介護施設の間の連携を深めることが大切」と強調する。施設で暮らす高齢者が肺炎で入院すると、肺炎は治っても、ほかの機能が衰え、寝たきりになることがある。訪問診療を活用しようと、医師を招いた勉強会を開く介護施設が増えているという。前泊社長は「救急病院を維持するためにも医療と介護の連携が欠かせない」と指摘する。

 (宮沢之祐)