会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の5月例会が8日、那覇市のオリオンホテル那覇で開かれた。新聞15紙を読む時事芸人のプチ鹿島氏が登壇し、「新聞の楽しみ方。そして地元紙の役割とは。」をテーマに講演した。
プチ鹿島氏はスポーツ新聞好きから一般紙を読むようになった。そのときに、同じ事実を見ているのに「切り口や論調が違うのは面白い」と感じ、新聞読み比べにはまったという。「SNSだと自分の見たい意見や賛同する意見に固まり、異論を目にすると怒る人がいるが、僕は自分と違う意見ほど聞きたい」と語った。
また、デジタル化が進む中で、アクセス数を稼ぐために刺激的な見出しになったり、事実がゆがめられたりしているメディアの事例を紹介。「脊髄反射せず、『明日の朝刊で確認すればいいや』というぐらいのスローペースでニュースと付き合っていくことが大事だ」と心構えを説いた。
さらに、傍観者にならず、生活者や当事者の目線で報道している地方紙の役割が大事になっていると指摘。「基地問題のように(国と地域で)力の不均衡があるときには弱い方に肩入れして代弁する。『偏向報道』といった声に負けないようにしてほしい」と語った。
(南彰)