竹富町の波照間公民館が、自衛隊や海上保安庁による利用円滑化を前提にした国の「特定利用空港・港湾」の指定候補となっている波照間空港について、特定利用空港のための滑走路延長に反対することが21日分かった。
波照間空港は県管理。関係者によると、波照間公民館は12日に総会を開き、住民の多数が反対の意思を示した。「自衛隊に使用してほしくない」などの意見が挙がったという。
住民はこれまで生活利便性向上や観光面での民生利用を目的とする滑走路延長を町を通して県に求めていた。
一方、総会では「滑走路を延長して自衛隊が使用する代わりに、那覇との直行便を開通できないか」と、特定利用指定に理解を示す声もあったという。
波照間公民館の代表者は総会での決定を「島の意見」として、22日に石垣市で知事に伝える。代表者は軍事利用のための滑走路延長に反対の意向を伝え、延長の場合は下地島空港の軍事利用を否定した「屋良覚書」のような対応を求める。
知事が22日に県議選立候補予定者の激励で石垣市を訪れるため、与那国町の住民や石垣市の市民団体も知事に対して特定利用に反対の考えを伝える予定。
波照間空港の滑走路は800メートルで小型機しか発着できない。町はこれまでに波照間住民らの声を受け、中型機の発着が可能となる1200メートルへの延長を県に求めていた。その上で、自衛隊の訓練受け入れなどは想定していないとしていた。
ただ、特定利用空港指定への賛否を明らかにしていない前泊正人町長は今年1月、離島5市町の首長で、特定利用空港・港湾制度を利用し、予算獲得するよう県に求める要請書を玉城知事に手渡していた。
(照屋大哲)