神秘的、桃色のカプセル次々と 日中にサンゴの産卵 「累代繁殖」世界初 沖縄・美ら海水族館


神秘的、桃色のカプセル次々と 日中にサンゴの産卵 「累代繁殖」世界初 沖縄・美ら海水族館 照明の調整で2020年の日中に生まれ、成長して産卵するコエダミドリイシ=24日、沖縄美ら海水族館(提供・国営沖縄記念公園(海洋博公園)
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 沖縄美ら海水族館は24日、日中に生まれたサンゴが親となり、産卵する「累代繁殖」に成功した。

 同水族館によると、世界初とみられる。水槽の照明環境を調整することで産卵時間をコントロールする技術を2020年に開発し、同年に生まれて着床したコエダミドリイシが親となり、産卵した。

 サンゴの産卵は、卵と精子の入った「バンドル」と呼ばれる、直径約1ミリのピンク色のカプセルを放出し、そのカプセルが海面ではじけることで受精する。

 沖縄本島近海に生息するミドリイシ類は、通常は5~6月の満月に近い日に、夕暮れから夜間に産卵することで知られる。幻想的な風景が広がるため、日中に訪れる客から「サンゴの産卵を見たい」との要望があり、産卵時間を調整する技術開発を進めた。

 担当者によると、産卵時期の数カ月前から、照明を当てる時間を徐々に調整し、昼に産卵するようにコントロールしているという。

 コエダミドリイシは24日午後2時47分ごろに産卵している様子が確認された。25日にもクシハダミドリイシが日中に産卵した。同水族館サンゴ礁展示係の永田史彦さんは「サンゴ礁は生態系の中で重要な役割を果たしている。身近な海域に住む生き物を考える、きっかけになってほしい」と話した。 

(池田哲平)