【動画あり】貨物船座礁で国内最大級のサンゴが損傷 調査同行者「ショックで震えた」 4千トンのウッドチップ流出も 石垣・石西礁湖


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サンゴ礁に乗り上げ座礁した貨物船=3月4日、石垣市の沖合(提供)

 国内最大級のサンゴ礁が広がる石垣島沖の「石西礁湖」で1月、パナマ船籍の貨物船が座礁した件で、現場付近のサンゴ礁がえぐれ、一部白化していることが25日、分かった。現場調査に同行した石垣島のダイビングスクール「あつまる」の平尾一也さん(43)は「たくさんのサンゴが広がる本当にきれいな場所だった。言葉にならない」と声を落とした。

 第11管区海上保安本部によると、これまでに船の燃料の抜き取りは完了したが、積み荷のウッドチップ約1万トンのうち約4千トンが、座礁の影響で船の左側に空いた穴から流出し、一部が海底に堆積している。現在、貨物船の保険会社から依頼を受けた地元漁協やダイバーらがウッドチップの回収を進めている。今後、国際競争入札で船を撤去する業者を決めるという。

座礁した貨物船から流出し、海底に堆積した大量のウッドチップ=3月4日、石垣市の沖合(提供)

 平尾さんによると、現場は毎年5月中旬ごろ、サンゴの産卵を見ようと多くの客が訪れる人気のダイビングスポット。3月に調査で現場付近を潜った際、座礁した船がサンゴ礁を削っていたほか、ウッドチップの一部がサンゴの上に堆積しているのを確認した。船の下にあるサンゴはすでに白化していたという。平尾さんは「最初に見た時はショックで震えた。一刻も早く解決に向かってほしい」と願った。

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