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「生活豊かに」訴え 第一声、熱気あふれ 支持者に「共に闘って」 沖縄県議選が告示


「生活豊かに」訴え 第一声、熱気あふれ 支持者に「共に闘って」 沖縄県議選が告示 県議選が告示され、気勢を上げる支援者ら =7日午前、本島南部(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 任期満了に伴う第14回県議会議員選挙が7日に告示され、各地で9日間の選挙戦がスタートした。13選挙区の立候補者は計75人。曇り空で始まった選挙戦初日は、朝早くから各地で出発式や出陣式が開かれ、選挙戦は一気に熱を帯びた。各候補は支持者と固い握手を交わし、遊説に繰り出した。16日の投開票に向け、各候補は基地問題や経済振興などを争点に選挙戦を繰り広げる。 

 県議選が告示された7日、各選挙区の選挙管理委員会では、届け出順を決めるくじ引きがあった。那覇市・南部離島区で1番くじを引いた立候補者代理人は「縁起物だから1番に届けることで支持者も喜んでくれる」と笑顔を見せた。後半の届け出となった立候補者は「(番号が)最後かどうかは(選挙に)関係ない」とし、投開票日に向けて気持ちを切り替えた。

 那覇市・南部離島区は定数11に19人が立候補を届け出て、大激戦の火ぶたが切られた。同区は2016年の県議選から、那覇市区に南部離島7町村を含める形で合区した。県都那覇市だけでなく、人口減少など多くの課題を抱える離島への施策拡充も求められる。各候補は事務所や交通量の多い交差点などで第一声を上げ、掲げた公約実現のため1票を投じるよう呼びかけた。ある候補は「離島には人口減少や物価高騰などの問題がある。離島が発展することで沖縄全体の発展につながる」と話し、離島問題に取り組むと訴えた。

県議選が告示され、候補者の第一声に耳を傾ける支持者ら=7日午前、那覇市内(大城直也撮影)

 沖縄市区は5議席を現職4人、新人3人の計7人で争う小数激戦区だ。与野党構成に影響する選挙区として動向が注目されるほか、米軍嘉手納基地を抱える街として、基地問題への取り組みも求められる。各立候補者は早朝から市内の主要交差点などで出発式や出陣式を開き、集まった支持者を前に政策を訴えた。ある候補者は「沖縄に暮らす皆さんの生活をもっと豊かにする。共に闘っていただきたい」と熱弁を振るい、支持者の声援を受けて遊説へと繰り出した。

 国頭郡区は定数2に対して、現職1人と新人2人が立候補した。嵐山ゴルフ場跡に建設中の北部テーマパーク「ジャングリア」の開園を来年に控え、北部地域の観光発展に期待が高まる。一方で、人口減少や医療体制の整備など暮らし改善に向けた議論も求められる。各立候補者は、北部地域の均衡な発展や過疎地域の利便性向上などを訴え、やんばる地域を駆け巡る。ある候補者の出陣式に参加した支持者らは、イメージカラーの鉢巻きやシャツを身につけ団結を示した。「離島振興、福祉、教育、農業、漁業、公共インフラ整備と皆さんの声を大切に力強く県政へ送っていく」と訴えた。

 糸満市区は定数2に5人が立候補した。県議選と同日に投開票となる糸満市長選や市議補選の動きも鍵を握りそうだ。候補者の1人は事務所前で出発式を開き、第一声を上げた。子育て施策充実などに加え、辺野古新基地問題について「戦争で犠牲になった方々の遺骨の混じった土砂を辺野古埋め立てに使うな」と拳を握ると、支持者から「そうだ」と賛同する声が飛んだ。

 定数2の宮古島市区では現職2人、新人1人が立候補した。前県議選と同様に保守が競合する保守分裂選挙となった。来年1月に任期を迎える宮古島市長選挙を見据え、各陣営の運動に熱が入る。ある候補者の出発式では、多くの支援者が選挙事務所に駆けつけた。候補者は「宮古の未来を明るくしたい。皆さんの生活を豊かにしたい」と力強く訴え、支援を求めた。(’24県議選取材班)