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「素晴らしい作品はハラスメントのない現場から」 相手認め創作活動を 那覇市で講習会 沖縄


「素晴らしい作品はハラスメントのない現場から」 相手認め創作活動を 那覇市で講習会 沖縄 舞台制作者などを対象にハラスメント講習会をする植松侑子さん=11日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーと
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 文化芸術の担い手たちがハラスメントなどに苦しんでいる問題で、実態調査をした那覇文化芸術劇場なはーとは11日、主に舞台芸術にたずさわる人を対象にハラスメント防止講習会を開いた。講師でハラスメント対策アドバイザーの植松侑子さんは「素晴らしい作品はハラスメントのない現場から始まる。ハラスメント研修はコミュニケーションの準備運動だ」と語り、価値観や考え方が異なる他者と協働するときに必要なポイントや考え方を参加者と共有した。

 植松さんは「ハラスメントは、相手の価値観・感覚を認めず、相手を支配・コントロールしたいという欲求から発生しがちだ」と指摘。ハラスメントのある現場ではよい成果が生まれないことを示す研究成果を説明し「相手を道具にしない」といったハラスメントを防ぐ心構えを説いた。

 そのうえで、「お互いの存在を承認し合うメッセージ」であるあいさつや、いざというときに「NO」を言える信頼関係の土台をつくるために「ありがとう」を日常的に伝えていくことの大切さを伝えた。

 質疑応答では、参加者がハラスメント防止に向けた契約書の作成方法などについて質問。植松さんは文化庁が示している契約書のひな形を勧めた。 (南彰)