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「苦しい家庭に支援を」 沖縄県議選受け有権者、生活改善や平和を願う


「苦しい家庭に支援を」 沖縄県議選受け有権者、生活改善や平和を願う
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県政野党・中立の勢力が過半数を奪取した16日の県議選。県民から選ばれた議員らは、沖縄の発展のため、地域の課題解決のため、これから取り組みを進めることになる。基地問題の解決や生活の改善など、県内各地の有権者からは県議にさまざまな要望が上がった。今回の投票率は45.26%と県議選の過去最低を記録したことから、若い世代の投票を願う意見もあった。

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、17日も本部港塩川地区(塩川港)で抗議活動を行った崎濱静子さん(64)=本部町=は与党の大敗に肩を落とし、「グローバルな視点で平和と野菜の種まきをするのが私のモットーだ」と抗議を続ける意志を示した。当選者には「自民、非自民という考えではなく、自分の意見を持って行動してほしい」と願った。

 合併して宮古島市が誕生した2005年以降、同市区では保革で定数2議席を分け合ってきた。今回、野党が独占した展開に、自営業の中村靖さん(50)=同市=は「県外資本の建物が増える中、生活は改善しない。解決策を見いだせない県内政治に期待はなく、組織票が強い自民が議席を増やしただけ」と分析した。

 石垣市の宮良純一郎さん(74)は、国政では裏金問題で自民に逆風が吹く中での結果に「(与党は)何が原因か考えないと」と指摘。当選者には辺野古新基地建設や自衛隊増強問題に「あらがい」、平和のための取り組みをしてほしいと求めた。

 「軍事力は平和維持に必要」と話すのは北中城村に住む40代男性。県議には、子どもの貧困に取り組むことを期待する。「福祉関係者などの話を聞くと、苦しむ子どもがまだまだいる。貧困家庭に手厚い支援をしてほしい」と語った。

 病気の子どもと家族のための環境づくりに取り組む「顔晴れ会」代表の金城敦子さん(53)=浦添市=は「離島で闘病する子どもたちを含め、安心して医療を受けられる県になってほしい」と話す。19歳の娘が初投票したといい「友人らと候補者の情報を集めていて、まだまだ沖縄は大丈夫と思えた。若い人にどんどん投票に行ってほしい」と期待を寄せた。

(武井悠、友寄開、照屋大哲、狩俣悠喜、小浜早紀子)