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建立10年、不戦誓う 農林学校隊の碑で慰霊祭 沖縄


建立10年、不戦誓う 農林学校隊の碑で慰霊祭 沖縄 石碑に手を合わせる瀬名波榮喜さん=21日、東村宮城
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 【東】沖縄戦で鉄血勤皇隊に動員され、東村宮城の内福地で命を落とした県立農林学校の学徒ら11人を追悼する、同村宮城の県立農林学校隊最期の碑で21日、北部農林高校と同校同窓会が慰霊祭を開いた。北部農林高の生徒や教職員、遺族ら約40人が参列し、不戦の誓いを新たにした。慰霊碑は今年で建立から10年の節目を迎えた。

 学徒の同級生の瀬名波榮喜さん(95)は亡くなった学徒が死の間際に考えていたことに思いをはせ「親兄弟や学友を思い、世界の恒久平和を考えていたのではないか。生き残った者は、亡き学友たちが享受できなかったその夢を実現すべく努力する責任がある」と時折声を詰まらせた。

 慰霊碑の建立は、元隊員の大城仁光さん=2011年死去=が同級生らの最期の地を記憶に刻もうと亡くなるまで切望していた。大城さんの孫で、自作の詩「友の死を忘れない」を毎年朗読している東江あやかさん(30)は「建立された経緯を伝え続けるのは重要で、できる限り毎年参加して朗読を続けたい」と誓った。瀬名波さんは「永遠に恒久平和を祈念し、亡き学友たちの鎮魂を毎年してほしい」と後進に願った。 

(武井悠)