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「HEIWAの鐘」自身の声で 慰霊の日にアルバム「琉球」配信 ユキヒロさん 思いダイレクトに


「HEIWAの鐘」自身の声で 慰霊の日にアルバム「琉球」配信 ユキヒロさん 思いダイレクトに アルバム「琉球」でのメジャーデビューを報告する、シンガー・ソングライターのユキヒロさん=19日、那覇市の琉球新報社
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 県出身シンガー・ソングライターのユキヒロ(仲里幸広)さんが23日、オリジナルアルバム「琉球」をビクターエンタテインメントから配信し、60歳にしてメジャーデビューを果たす。同世代の人たちに勇気を与えることと、全国の学校で合唱曲として歌われる「HEIWAの鐘」などを、ユキヒロさん本人の原曲でも多くの人に届けるためだ。

 「HEIWAの鐘」は自身が歌うために作った曲。2000年の九州・沖縄サミットでも注目された。音楽を通じて日常的に平和を考えることができる「ピースソング」としてポップに歌う曲だ。「琉球」にも収録した。合唱編曲により、全国の学校で合唱コンクールの人気曲として広まり、2005年には高校の音楽教科書にも掲載された。

 テレビ朝日の音楽番組「ミュージックステーション」の2019年放送「合唱で歌われたJ―POPランキング」では、「ゆず」やアンジェラ・アキさんらが名を連ねるなか7位にランクインし、世に知られていない作者として紹介されたという。

 ユキヒロさんは、「HEIWAの鐘」を作者本人の思いと声でダイレクトに伝えることができれば、リスナーは合唱曲とは違った角度で平和を感じ、「ピースソング」として広がっていくのではないかと考える。

 「大人たちの真剣に平和を訴えているあの顔は忘れない」と、自身が受けてきた教えを振り返り、そういった大人たちの思いから生まれたのが「HEIWAの鐘」だと話すユキヒロさん。

 平和の心だけに限らず、受け継がれてきた価値観や文化など、「沖縄の誇りを子どもたちにも伝えていくことが大人の役割」であり、自身の楽曲にも、大人たちの教えが自然と表れていると話した。

 県民に向け「聴いた人が元気になる一役を担えたら。これからも沖縄大好きという気持ちでがんばる」と意気込んだ。

 (嘉手苅友也)