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<ひと>沖縄描くドラマ「フェンス」でギャラクシー賞大賞に 高江洲義貴さん 日本の問題だと気付いて


<ひと>沖縄描くドラマ「フェンス」でギャラクシー賞大賞に 高江洲義貴さん 日本の問題だと気付いて
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 米兵による性暴力など、沖縄の実情を多角的に描いた連続ドラマ「フェンス」をプロデュースし、放送批評家らが贈るギャラクシー賞テレビ部門大賞に輝いた。「深い問題意識とエンターテインメントを見事に両立させた」と評価された。

 米軍普天間飛行場と住宅が隣接する宜野湾市で生まれ育つ。「フェンスがあって、軍用機が飛んでいるのが日常。でも、東京の大学に来たら、沖縄のことを友達は知らないし、報道も少ない。もやもやした」

 「癒やしの島」か「基地反対の島」。故郷は、どちらかでしか語られないように感じ、「その間にある複雑なものをドラマにしたい」と考えるように。そんな時、NHKエンタープライズのプロデューサーだった北野拓さん(現フジテレビ)から、脚本家の野木亜紀子さんと企画した「フェンス」の制作を提案される。

 「エンターテインメントの力で、沖縄の抱えている問題や、そこに生きる人の気持ちを伝えようとしている。その覚悟と優しさに、ウチナンチュ(沖縄人)として、ありがとうと思った」

 「フェンス」を見る人には、まず、沖縄の現状を知ってもらいたいと言う。「そして、沖縄の問題ではなく、日本の問題だと気付いてほしい」

 子どもの頃から映画好きで、映像制作の道へ。「放送人は、お金をかけて作品を発信できるという特権を持っている。だから、それ相応の責任がある。社会が良くなるとか、誰かが救われるとかのために、力を使わなきゃいけない」。36歳。

(共同通信)