「被害者は悪くない」 デニー知事や市民団体 SNSなどの誹謗中傷を懸念 沖縄の米兵少女暴行事件


「被害者は悪くない」 デニー知事や市民団体 SNSなどの誹謗中傷を懸念 沖縄の米兵少女暴行事件 イメージ
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 米兵による少女への性的暴行事件が発生し、那覇地検が起訴していたことが判明した。事件を巡り、SNSで被害者に非があるかのような書き込みが既に出ている。性犯罪の事件が発生した際には、第三者が被害者を責める「セカンドレイプ(性的二次被害)」の発生が懸念されるが、性暴力被害者の支援関係者らは「被害者本人は何も悪くない」と断言する。

 沖縄県内では2008年、米海兵隊員の男が少女に対して性的な暴行を加えた事件で、被害者に対して誹謗(ひぼう)中傷が相次ぎ、被害者が告訴を取り下げた事例があった。

 沖縄県の玉城デニー知事は25日、記者団の取材に対し「事件については何よりも被害者とご家族の心情に配慮することが最も大切だ」と指摘した上で、「ましてや被害者は未成年で、被害者を責めることは絶対にあってはならない」と強調した。

 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さんは「事件が明らかになると『なぜついて行ったのか』などの被害者バッシングが起きるが、加害者が100%悪い。被害者本人は何も悪くない」と話す。

 高里さんは、08年に県内で発生した、在沖米海兵隊員が少女を誘い込んで乱暴した事件と似ていると指摘。「不同意性交は相手が襲ってきてもノーと言えたような環境ではない。言葉巧みにいつのまにか相手が断れないように誘い込む巧妙な手口だ」と指摘した。