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「県民をないがしろにしている」 沖縄の各団体が抗議、日米両政府に謝罪要求も 米兵少女暴行事件


「県民をないがしろにしている」 沖縄の各団体が抗議、日米両政府に謝罪要求も 米兵少女暴行事件 記者会見で抗議の声を上げる「オール沖縄会議」の糸数慶子共同代表(中央)ら=26日午後、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 米兵少女暴行事件を受け、26日に会見を開いたオール沖縄会議は事件を糾弾し「日米両政府は沖縄に来て謝罪すべきだ。県民をないがしろにしている」などと抗議した。県内の福祉団体などは抗議声明を日米両政府に送った。 

 オール沖縄会議は会見で、外務省が約3カ月にわたり県側に事件を伝えなかったことを、「隠蔽だ。地方自治を軽視している。絶対に許すことはできない」と指摘、外務省の沖縄事務所の存在意義も疑問視した。共同代表の糸数慶子さんは「県民と政府の橋渡し役は一切できていない」と批判した。

 事件が起きた昨年12月は、国が名護市辺野古の新基地建設に向けて代執行訴訟に踏み切り、半年後には県議選を控える時期だったことに触れ、糸数さんは「(政治的に)配慮があったのでは」と不信感を募らせた。

 同会議の金城徹共同代表は「日米地位協定を本気で見直さないと今後もこのような事件を防げない。沖縄だけの問題じゃない。いつまで従米を続けるのか」と語気を強めた。

 同会議は、外務省沖縄事務所に抗議の申し入れを予定しており、県民集会の開催も目指す。

 県保険医協会(高嶺朝広会長)は日本政府や駐日米国大使、県警本部などに抗議文を送付。「米軍関係者により繰り返される事件事故は深刻な基地被害で、これ以上の犠牲と負担は受け入れられない」と声明を出し、米軍基地の撤去を求めた。

 県社会保障推進協議会(新垣安男会長)は「事件事故のたびに再発防止や綱規粛清が宣言されるが結局毎回破られてきた。米軍基地縮小を求めるとともに、米軍と情報を隠蔽した日本政府に怒りを込めて強く抗議する」と発表し、関係各所に抗議文を送付した。 

(中村優希)