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転園の可能性、保護者に困惑広がる 補助金不正受給疑いの社会福祉法人 宜野湾市の監査のあり方に疑問も 沖縄


転園の可能性、保護者に困惑広がる 補助金不正受給疑いの社会福祉法人 宜野湾市の監査のあり方に疑問も 沖縄 保育士配置基準を満たしていないことが分かった小規模認可保育園
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 【宜野湾】社会福祉法人の関連会社が運営する小規模認可保育園=宜野湾市大山=で園児が転園せざるを得ない可能性が浮上した。保護者らは園から今後の対応について聞かされていないとして困惑した。一方、宜野湾市は27日に市議会に対して経緯と今後の対応を説明。市議からは「市の監査で『不正受給』を見抜けなかったのが問題」などと指摘が上がった。

 小規模認可保育園に園児を預ける保護者の一人は「連日の『不正受給』の記事はチェックしているが、これは別の話ですか」と驚きを隠せない。その上で「この際、うみを出し切ってほしい」と語った。別の保護者は「この間の動きが早すぎてついていけていない」とした上で「先生方は非常に熱心に保育をしてくれている」と職員たちを擁護した。

 宜野湾市は保育士確保に向け対応を検討する構えだ。一方、同日の市議会への説明会で、市は市議らから監査の在り方を問われた。市認可の保育施設の定期監査業務は中部広域市町村圏事務組合に委託する。市担当者は「例えば事前通告した上での監査の日に『この保育士は休みだ』と言われたら確認するのは難しい。信頼の上に成り立ってきた面もあった」と話した。

 また、他自治体の保育施設で勤務していた元保育士が市内の保育施設でも在籍扱いとなっていた事案が発覚しなかった理由について、市は「他自治体と保育士名簿の共有はしていない。複数自治体に施設がまたがると保育士が実際どこで働いているかはなかなか見えない」とした。

 市は関連会社に対する法的措置について「県とも協議して刑事告訴も検討しているが、まずは行政指導を考えている」との見解を示した。不適正に交付された補助金が確認されれば返還を求めるとした。

 (梅田正覚)