2882万円の賠償求め住民訴訟 新庁舎の手続き「違法」と主張 金武町 沖縄


2882万円の賠償求め住民訴訟 新庁舎の手続き「違法」と主張 金武町 沖縄 金武町役場(資料写真)
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 金武町役場の新庁舎の建設計画を巡って、仲間一町長が町に違法な支出をさせたとして、町民が町に対して町長に2882万4千円の損害賠償を請求するよう求める住民訴訟が那覇地裁に提起されていたことが27日までに分かった。町民は、2019年以降、新庁舎の建設に向けた委員会設置の手続きが、地方自治法や条例に反する違法なものだと主張している。

 訴状によると、町民が違法と指摘しているのは、新庁舎の建設に当たって用地選定や建設について検討する委員会。

 町は19年7月、これらの委員会設置に当たって「規則」を制定。地方自治法や条例ではなく、「規則」に基づく同委員会設置は違法と指摘し、委員会に対して町から支出された計2882万4千円が町への損害であるとして仲間町長に損害賠償を求めるよう訴えた。
 新庁舎の建設計画は、18年に仲間町長が政府に費用負担を要請し、防衛省から補助金交付の打診を受けたことで検討が開始されたという。

 町民は1月、金武町監査委員に対して、仲間町長に対する賠償勧告を求める住民監査請求を実施。同委員は監査請求を受理した上で3月に棄却していた。

 仲間町長は琉球新報の取材に対し「(訴状の)対応は今後これからの話し合いなので、こちらの弁護士の考え方が出てきてからしかコメントができない」と述べた。