「カンムリワシ」原告の住民訴訟で初弁論 石垣のリゾート開発、違法性を主張 沖縄


「カンムリワシ」原告の住民訴訟で初弁論 石垣のリゾート開発、違法性を主張 沖縄 カンムリワシの若鳥(環境省提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 リゾートホテルなどを手掛けるユニマットプレシャス(ユニマット、東京)が、石垣市で計画するゴルフリゾート開発を巡り、市民団体「カンムリワシの里と森を守る会」が、「カンムリワシ」を原告としてユニマットへの市有地を提供しないよう中山義隆石垣市長に求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が5月31日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)で開かれた。弁論終了後に原告メンバーらが那覇市の県庁記者クラブで会見した。

 原告側は訴状で、市が、市管理の「石垣市民の森」を含む市有地をユニマットに開発行為という「私的行為」のために提供するのは地方自治法違反であるなどとした。

 開発区域にかかる「石垣市民の森」が、国の天然記念物カンムリワシの営巣地である点も踏まえ、開発行為が文化財保護法違反に当たるとも主張。被告側は答弁書で請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 弁護団の籠橋隆明弁護士は会見で「特定の事業者が自然を囲い込み、食いつぶすのか。誰もが入れる自然を持続的に守っていくのか。それが裁判の基本的な争点になる」と述べた。